
スペシャルインタビュー
電力システム改革に伴う電力小売の全面自由化が2016年4月にスタート。この大転換に合わせて、中電シーティーアイもさまざまなアクションを起こしている。今回集まってもらった制御システム部の3人は、来るべき時に備えて何を思うのか・・・。インタビューから、その答えが見えてきた。


小売電気事業者がシステムに望むことは何か。
ニーズを探り、ユーザーの拡大につながる開発を。_____福谷
- 原
- 制御システム部は、中部電力系統運用部向けの業務に取り組んでいます。具体的には、発電所や送電線・変電所で構成される電力系統の運用に関する各種支援系システムの開発と保守です。
- 山田
- 手がけるシステムによってチームが分かれていますね。
- 原
- そうですね。その中で私は、給電情報提供システムのひとつである需給情報システムを担当しています。このシステムは日々の発電量データを収集・蓄積し、エリアの総需要を算出しています。データはのちに発電の計画などに使用されます。
- 福谷
- ほかにも、託送に関わる業務をサポートするもの、系統の故障をお知らせするものなど、さまざまなシステムを扱っていますね。
- 山田
- 私は、福谷さんがおっしゃった故障をお知らせする故障情報システムの開発担当です。このシステムは365日24時間稼働しています。系統内で停電や故障が発生した際、その情報を、給電制御所を中心とする各所の中部電力担当者にリアルタイムでお知らせします。
- 福谷
- 私は電力システム改革に関わる新しいシステムの開発に関わっています。今後改革が実施されるにあたり、電力販売事業に参入する小売電気事業者に対して、送配電事業者である中部電力はさまざまな情報を提供しなくてはなりません。そのためのシステムの開発が私の仕事です。また、情報を提供する側のシステムだけではなく、反対に情報を受け取る側のシステムもつくれるのではないかという観点から、小売電気事業者向けの情報受信システムを開発しようという研究にも関わっています。

システムを統合してスリム化を実現していくなど、
独自の付加価値の提案にも備えておくべき。_____山田
- 山田
- 福谷さんは電力システム改革に向けた業務がメインですよね?
- 福谷
- はい。先にお伝えした小売電気事業者に対しては、新規参入企業の多くが、電気を商材として展開するビジネスのノウハウに長けているわけではありません。そこで、小売電気事業者が電気を販売するにあたって、その業務を円滑にするための新しいシステムが必要となるはずなので、現在は、どんなシステムのニーズが潜在しているのかもリサーチしています
- 原
- 具体的にどのようにリサーチされているのですか?
- 福谷
- 技術者として営業担当に同行し、小売電気事業者と直接会ってヒアリングしています。
- 山田
- 福谷さんのお話を聞くと、電力システム改革にはかなり深く関わっている印象を受けます。
- 福谷
- お二人はどうですか?
- 原
- 私も関わっています。現在、担当している需給情報システムにおいて、電力広域的運用推進機関に送信する発電量データの連係対応中です。将来的には発送電分離に向けて、需給情報システムに蓄積している発電量データを発電側と送電側に分ける対応などを行っていく必要があるため、今後しばらくは関わっていくのではないかと思っています。
- 山田
- 実は私は、電力システム改革に向けた取り組みには関わっていません。ですが、改革実施後の行方によっては、システムの改造が必要になる可能性は十分にあると考えています。
- 福谷
- 準備期間のようなイメージですね。
- 山田
- おっしゃる通りです。2016年4月、中部電力に社内カンパニー制が導入され、発電・送配電・小売部門の新会社設立の準備が始まります。この動きによって、各社にそれぞれ新たなシステムが必要となることが予想されますが、既存のシステムにも対応が求められると思うのです。そのタイミングに合わせて、システムを統合してスリム化を実現していくなど、新たな付加価値の提案にも備えたいと思います。

システムのユーザーが増えれば、
新たな知識を吸収できる可能性が一気に高まる。_____原
- 福谷
- 電力システム改革の対応業務のため、例年以上に充実した日々を過ごせたと思っています。これまでずっとおつき合いしてきた中部電力の系統運用部門以外からも仕事を受託する可能性を探ることができたのは、新鮮で刺激的でした。
- 原
- システムのユーザーが増えることで、新しいシステムに対するニーズも今後一層高まりそうですね。となると、中電シーティーアイとしても、さらなる飛躍を遂げられるチャンスではないでしょうか。
- 山田
- 電力販売に参画する小売電気事業者は、石油会社・ガス会社・通信会社と業態がさまざまですよね。ユーザーごとにシステムへの要求も違ってくるはずなので、私たち技術者にとっても「こんな使い方を望んでいるんだ!」という発見に巡り合えそうで楽しみです。
- 原
- 電力小売の全面自由化以降の電力業界がどうなっていくのかという不安よりも、山田さん同様、私もワクワク感のほうが強いです。仕事の幅が広がれば知識も蓄えられるはずです。その結果、挑戦したいと思っていた仕事にも取りかかれるようになるかもしれません。
- 福谷
- 小売電気事業者に対しては、電力販売事業を展開するうえで、付加価値の感じられるITソリューションを提供することがテーマになってくると思います。私たちの競合もすでに提案に乗り出しているので、ユーザーの獲得競争は始まっていると言えます。
- 山田
- 中電シーティーアイの業務は中部電力がベースであり、中部電力が掲げる電力の安定供給という使命にも引き続き尽力することは忘れてはいけないですね。
- 原
- 中部電力を筆頭に、多くの企業との関わりを持つことができれば、本当の意味で世の中に尽くすIT企業としての中電シーティーアイが確立されるのではないでしょうか。
- 福谷
- そうなった時に、お二人のような若手のみなさんが会社の牽引役になってもらえると頼もしいですね。
-
福谷の一日のスケジュール

- 08:30
- 業務開始。前日までの仕事の残件と当日行う仕事の整理
- 09:00
- 小売電気事業者との折衝に備えた提案準備
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 定例のチーム内ミーティング
- 17:00
- 当日業務の進捗状況と課題事項をメンバーと確認し合う
- 17:20
- 退社
-
原の一日のスケジュール

- 08:30
- 業務開始。メールの確認と返信
- 08:45
- 客先に提出する書類のチェック
- 09:30
- 担当システムに関する作業(プログラム製造・試験・書類作成)
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 担当システムに関する作業(プログラム製造・試験・書類作成)
- 14:00
- 客先にて打ち合わせ
- 16:00
- 担当システムに関する作業(プログラム製造・試験・書類作成)
- 17:10
- メールの確認と返信
- 17:20
- 退社
-
山田の一日のスケジュール

- 08:30
- 業務開始。メールの確認と返信
- 08:45
- 前日の日報に目を通し、残件と当日業務の確認
- 09:00
- 担当システムの開発
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 担当システムの開発
- 14:00
- 協力会社との打ち合わせ
- 16:00
- 担当システムの開発
- 17:00
- 当日業務の進捗を確認し、日報を作成
- 17:20
- 退社