雷鳴神's Eye 導入事例インタビュー/インタビュー年月:2026年2月 大同大学様
大同大学様
大同大学
工学部 電気電子工学科
植田 俊明 教授
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URL: https://www.daido-it.ac.jp/
【ピックアップ研究 植田研究室】
URL: https://www.daido-news.jp/admission/pickup-lab/pickup-lab20/
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風力発電の雷害をいかに防ぐか、研究分野でも活躍する雷鳴神's Eye
発電・電力設備の耐雷対策をはじめ、さまざまな観点から雷と次世代の電力供給に関する研究を展開する、雷研究の第一人者・大同大学の植田教授に、研究分野における雷鳴神's Eye活用について伺いました。Background of Introduction雷鳴神's Eye導入の背景
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Q
主な研究内容を教えてください。
再生可能エネルギーの導入が進むなかで、それらを十分に活用し安定した電力供給を実現するため、発電・送電設備の耐雷対策に関する研究を進めています。特に風力発電では、風車のブレードの高さが100メートルを超えるものもあり、雷撃によりブレードが焼損する事例も発生しています。安定供給のためには、落雷による風力発電機の故障や送電線の停電を防ぐことが不可欠です。
一般的な「夏季雷」に対し、北陸地方をはじめとする日本海側では、世界的にも珍しい「冬季雷」が頻発します。冬季雷は電荷量が大きく、プラスの極性が多い、上向き放電が起こるなど、夏季雷とは異なる特徴を持ちます。風力発電に適した強い季節風が吹き、洋上風力発電の開発も進む地域でありながら、多くの風力発電所が冬季雷に悩まされています。
そのため、大同大学周辺をはじめ、北陸地方のある風力発電所周辺において観測された落雷データを用いて、落雷の特徴や落雷位置標定システム(LLS:Lightning Location Systemなど)の標定精度向上に関する研究を進めています。
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Q
雷鳴神's Eyeを導入したきっかけを教えてください。
1年ほど前、電力会社の研究者から雷鳴神's Eyeを紹介されたことがきっかけです。以前は電力会社が提供する落雷観測システムの落雷位置データを利用していたため、データの取り寄せに時間がかかっていました。雷鳴神's Eye導入後は、大学内の端末からリアルタイムに落雷地点を特定し、データを取得できるようになり、研究効率が格段に向上しました。落雷の発生時間、位置精度、雷撃電流値、極性などのデータを蓄積し、耐雷対策の研究に活用しています。
風力発電機のブレードは電気を通さないGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化樹脂)でできているため、雷撃を受けても破損しないよう、金属製の「レセプタ」を設置し、雷撃電流を地面まで安全に導く設計が必要です。模型を用いた落雷シミュレーションにより、レセプタの位置や形状の検討も行っています。
Evaluation/Usability/Efficacy雷鳴神’s Eyeに対する評価・使用感・効果
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Q
研究における雷鳴神's Eyeの強みを教えてください。
雷鳴神's Eyeは落雷位置をリアルタイムに測定でき、電力会社が電力設備の監視のために高密度で設置しているLLSのデータを活用できるため、信頼性の高い情報を得られます。
また、研究プロジェクトに参加している大学に公開されている「全世界落雷位置標定システムBlitzortung.org」の精度検証や、風車への落雷記録との照合にも活用しています。大同大学にはBlitzortung.orgの基地局があり、標定精度向上の研究に役立っています。
さらに、過去の落雷履歴も重要です。大同大学周辺5キロメートル四方で、いつ、どこに落雷があったかを記録し、蓄積データを分析しています。近年は3月や4月にも雷が発生し、冬季雷の特徴も現れるケースも増えているため、注意深い観測が必要だと感じています。
ユーザーインターフェースがわかりやすく使いやすいこと、サポート体制がしっかりしていることも魅力です。長年電力インフラを落雷から守ってきたシステムであり、論文に根拠あるデータを記載できる点も研究者として大きな強みです。
Expectations/prospects雷鳴神’s Eyeに対する期待・展望
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Q
雷鳴神's Eyeに期待することを教えてください。
電力会社では、鉄塔が雷撃を受けた際に避雷針として機能する「架空地線」を設置し、雷撃電流を地面へ安全に流すなどの対策を行っていますが、万全と言えません。通常は下向きに枝分かれして落ちる雷が、冬季雷では鉄塔から上向きに伸びたり、横方向に長距離移動したり、斜めに落ちる斜方雷撃が発生するなど、複雑な特徴も記録されています。
雷鳴神's Eyeの時間分解能や緯度・経度の精度が向上すれば、より詳細なデータを蓄積・分析が可能となり、耐雷対策にさらに貢献できると考えています。
また、気候変動に伴い、落雷による事故やイベントの中止、工場の操業停止などの報告も増えています。学生の安全を守るため、大同大学に雷雲が接近した際に雷鳴神's Eyeの「アラート通知」を利用して学生に一斉メールを送るなど、運動部の練習中止を迅速にアナウンスできるシステムが将来的に構築できれば安心です。