電力系統安定化支援業務

ITで大規模停電を防止する

電力を供給する系統内で落雷や大雪、地震などにより系統故障が発生すると、送電能力が低下し発電エネルギーとのバランスが崩れて一部の発電機群が加速し、系統全体が不安定になります。個々の発電機は、系統に接続する多くの発電機と同期をして運転しているため、一部の発電機が不安定になると、他の発電機が次々に連鎖して停止することによって、大規模広範囲な停電(ブラックアウト)へと至る恐れがあります。
中電シーティーアイは、オンライン系統安定化システム(ISC)の安定運用のための支援業務を通じて、電力の安定供給に貢献しています。

オンライン系統安定化システム(ISC)

不安定となる一部の発電機(群)を瞬時に判定し高速遮断

中部電力パワーグリッドが保有するオンライン系統安定化システム(ISC)は、電力系統の故障によって不安定となる一部の発電機を瞬時に判定し高速遮断することで、電力系統の安定性を維持し大規模停電を防止するシステムです。

ISCの役割

  • ISCは、24時間365日止まることなくリアルタイムに電力設備の系統情報(電圧、潮流(=電力の流れ)など)を取り込みながら、30秒周期で約500ケースの故障(地絡、短絡)をシミュレーション演算し、故障ケース別に不安定となる発電機(群)を選び出します。
  • 実際に系統故障が発生すると、最も不安定な発電機(群)を高速遮断します。

中電シーティーアイは、ISCの運用に関する次の業務を実施しています

  1. ISCが使用する電力設備データ(送電線、変圧器、発電機などの各種定数)のメンテナンス(最新化)
  2. 電力設備停止作業などに伴う欠落データ(遮断器の入切状態や潮流値など)の設定
  3. ISCによるシミュレーション結果の検証・解析

オンライン系統安定化システム(ISC)の役割 ~大規模広範囲停電の防止~

  • 常時、30秒周期で約500ケースの故障をシミュレーションし、故障ケース別に不安定となる発電機を選び出します。
  • 実際の系統故障を検出すると、最も不安定な発電機(群)を高速遮断し、大規模広範囲の停電を防止します。

DBMAシステム

ISCの安定運用を支えるシステムです

中電シーティーアイが開発したDBMAシステム(Data-Base Management and Analysis System)は、ISCを安定運用するための三つの機能を備えています。

  1. データメンテナンス機能
  2. シミュレーション結果の検証・解析機能
  3. 運転記録・統計機能

このうち「2.シミュレーション結果の検証・解析機能」は、ISCによるシミレーション結果の妥当性を検証するもので、一般財団法人電力中央研究所が開発した解析計算プログラムの演算結果との比較検証などを行っています。なお、DBMAシステムでは、当社ソフトウェア製品 Energy COMPASS を利用してGUIでの比較検証を行うことができます。

DBMAシステム - シミュレーション結果の検証・解析機能

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